Making process 寒天の製造
Raw material for natural agar 天然寒天の原料
寒天はテングサ科の海藻を中心に、「オゴノリ」など、紅藻類の海草をブレンドして作ります。
寒天はテングサ科の海藻を中心に、「オゴノリ」など、紅藻類の海草をブレンドして作ります。
これら原藻は、太平洋側の本州中部および九州を中心に生産されていますが、海外でも多く採取されています。主要な生産国は、アジアでは韓国、北朝鮮、中国、インドネシアなど。ヨーロッパでは、スペイン、ポルトガル。アフリカでは、モロッコ、南アフリカ。南米では、チリ、アルゼンチンなどで、日本へも輸出されています。
良質のテングサは日本の太平洋岸に多く自生しています。伊豆半島、伊豆諸島、房総半島、愛媛、大分などが代表的な産地です。
なお、オゴノリは現在そのほとんどが輸出品で、粉末寒天に多く使われています。
Types of agar 寒天の種類
寒天は日本独自の食品で、「角寒天」「細寒天」「粉寒天」は製造方法や生産地が異なります。
寒天は、テングサなどの海藻を原材料としたところ天を乾燥させた日本独自の食品です。
製法と形状から、天然の「角寒天」「細寒天」系と、工業的に作った「粉末寒天」系に大きく分けることができます。
「角寒天」は「棒寒天」とも言われ、羊羹のような直方体で、長野県で作られています。「細寒天」は「糸寒天」とも言われ、紐状の寒天で、岐阜県の恵那地方が主な生産地として知られています。製造方法はほとんど角寒天と同じです。
「粉末寒天」は、原藻を科学的に処理して高品質化し、機械によって脱水を行ったもので、年間通して大量生産ができます。
Making process 角寒天の製造工程
1 海藻の採取
春から秋にかけて採取されたテングサなどの寒天の原材料となる海藻は、塩抜きなどをしてから天日で乾燥、貝殻など夾雑物を除き、充分吟味されたものだけが信州へ送られます。
2 海藻の洗浄
信州に運ばれてきた海藻は、地下水を使って洗浄されます。このことを「草をつく」と言い、ドラムを「水車」と呼びます。昔、水車を利用して洗浄していたときの名残です。
洗浄された海藻は2日間、水にさらしてアク抜きをします。
3 煮込んで固める
海藻はブレンドされ(「草割り」と言います。)、洗浄された海藻は大きな釜で煮込みます。ブレンドの割合や煮込む時間、日の加減などは、工場ごとに秘伝のノウハウがあります。
煮込んで糊状になった海藻の煮汁を布やフィルターを使って漉し、もろぶたという容器に移し、四角に固めます。煮汁は40度以下になるとゼリー状に固まります。
4 切る
できたゼリー状のものを包丁で羊羹状に切ります。天切り包丁という20枚ほどの刃がある包丁で、通常22本に切り分けます。これがところてんです。もしくは「生天」と呼びます。
5 天日干し
できた生天は、天日で干すために屋外に出します。これを「天出し」と言い、製造工程で、一番の重労働です。次に外に出して並べた生天あkら水を抜きます。北に向けて凍らせ、南に向けて溶かします。この溶かし凍らせを繰り返して、2週間ほどかけて、じっくり水を抜いていきます。生天は白くなっていきます。
6 乾燥
水が抜けると、「すかご」と呼ばれるザルに並び替え、完全に乾かします。雨が当たらないビニールハウスや軒下で、1週間ほどかけて自然に乾かします。寒天のできあがりです。
7 束ねる
できた寒天は600本をひとつに束ねます。業界ではこの600本の束を1本といいます。
8 検品・包装